マティチョンは、「NCPOの(政治家の)引き抜きにより損なわれる価値を測る」と題した評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。
プリチャー・レンソムブンスック(ルーイ県元タイ貢献党議員・元天然資源環境大臣)とその仲間達(が官民協力党への引き抜き工作を担当しているスリヤ元運輸相、ソムサック元副首相のルーイ県訪問を出迎えた)の事例が示すように「吸引力」の使用は成功したようであり、タイ貢献党を激震させる結果となった。しかし、実際のところ、この(引き抜き工作の)「成功」は、「副作用」を伴うものである。
最も重要な点は、NCPOのネットワーク内にある各政党に自分達の姿の真剣な見直しを迫ることになる点である。吸引の目的が大いに感情を損ねるものだからである。考えてみれば分かることであるが、「笛吹きデモ」に参加し、「シャットダウン」(バンコク封鎖)を実行し、自身を「大国民塊」(タイ語:ムワンマハープラチャーチョン)と呼んでいた連中は、どのように感じるだろうか。あの頃の要求事項は、「選挙の前に改革を」であった。2014年5月22日のクーデター以降、2018年5月に至るまでに様々なことが実行されてきたが、この連中は、(NCPO側に寝返った元タイ愛国党幹部であり、汚い政治家として批判されてきた)ソムサック・テープスティン元副首相やスリヤ・ジュンルンルアンキット元運輸相を貢献者として称賛するように心変わりするというのだろうか。
以前に「大国民塊」に参加していたスター俳優や歌手、ジャーナリストの多くは、ステープ・トゥアクスバンPDRC事務局長やパイブン・ニティタワン元上院議員が何を考えているのか知りたいであろう。これが2点目の副作用を生み出すのである。それは、官民協力(パラン・プラチャーラット)党とNCPOのネットワーク内の各政党、つまり「タイ国民結集(ルワム・パラン・プラチャーチャートタイ)党」、「国民改革(プラチャーチョン・パティループ)党」、「タイ国家の力(パラン・チャートタイ)党」、「新選択(ターンルアック・マイ)党」等の間の距離を遠ざけることになることである。官民協力党の役割は、広範で基盤となるものであり、標的である政党所属の元下院議員達を全力で勧誘する運動が出来るのである。このような行為に(NCPOから)全行程で「青信号」が出ていると見られる。ルーイ空港に到着してから(同県内の)リゾート施設に向かって、テーブルを挟んで対面に着席するまでの道中はスムーズであり、SNSで公開されているビデオクリップをみれば、それは明白であった(注:NCPOが「青信号」を出して交通の便宜を図っていたとみられる)。
このような状況をステープ氏は受け流しているが、知性に富み、哲学に基づいた輝かしい知識人であるアネーク・ラオタマタット博士(タイ国民結集党の党首候補)は、自然にNCPOとの距離を感じただろう。要するに親NCPO政党の立場は一緒であっても、官民協力党は他の政党よりも「部内者」であるという特徴を有して運営されており、その他の政党は「部外者」として置かれているのである。しかし、他の政党も民主党とタイ名誉党、パランチョン党と比較すれば、NCPOの内部を構成する政党として扱われている。しかし、それは官民協力党とは比較のしようがないのである。
テレビ放送の終わったドラマのように嫉妬の感情を招くと、長期的には損失の方が利益よりも大きくなるが、上記の関係は、それを反映させた結果なのである。損失は、他の誰かでなく、NCPOにとっての損失である。NCPOは、ネットワーク内の各政党の順序をつけるが、悲しくさせて、政治的な思想に影響を与えない程度で余りにも差が出すぎないように距離を保たなければならないのである。NCPOにとって魅惑(タイ語:サネー)の運営管理はより重要になっているのである。