マティチョンは、「非継続的な言葉:不確実な状態でロードマップは同じまま」と題したロードマップ延期に関する評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。
基本的に「ロードマップは同じまま」であると結論づけられる。しかし、総選挙は2017年中には実施されない可能性があることを認めなければならない。これがロードマップの相反した特徴である。これは奇妙に聞こえるだろうが、実際にその通りなのである。なぜ「ロードマップは同じまま」なのであろうか。その答えは、プラユット・チャンオーチャー首相がそう確認しているからであり、プラウィット・ウォンスワン副首相兼国防相も同じく、そのように確認しているからである。この2人が確認しているのだから、信用しなければならない。
他方で国連総会での(クーデター直後にプラユット首相が早期の民政復帰を約束した)「ニューヨークでの誓い」の当初からの想定のように、「同じまま」というのは、「ロードマップ」が自体が「同じまま」であるのか、2017年末に総選挙が実施されず、2018年にずれ込むような状態であるのか、再検討しなければならない。従って、「ロードマップ」が「同じまま」という言葉の解釈は重要となる。
「同じまま」の言葉を理解するには、ロードマップの意味の定義から始めなければならない。ロードマップとは、憲法を最初、1番として始まるものである。そしてニューヨークでの誓いのようにロードマップに沿って、総選挙が実施される。それには、まず国民投票で可決され、昨年11月9日に上奏された憲法草案が正式に公布・施行されることを前提としている。
もし、全てが正常に手続きが進んでいれば、上奏から90日以内、つまり2017年2月6日までに新憲法を公布・施行出来ていたはずであった。しかし、国王秘書官長室が憲法草案に関する国王の「ご意見」を通知する書簡を提出してきたので、憲法草案の国王に関する規定を修正しなければならなくなった。憲法草案を修正するために2014年暫定憲法の改正から開始しなければならなくなった。その後に政府は、国民投票を通過した憲法草案の内容の修正を特別委員会に任せることになった。このことは、新たな憲法草案を起草し直すことに等しいことである。
世界をどれくらい美しいものであると見ていようと、2014年暫定憲法を改正する理由、憲法草案の国王に関する規定を修正することの理由、それこそが「変数」と呼ばれるものに他ならない。少なくとも新憲法の公布・施行は、延期されることは免れなくなった。どれくらい延期になるのか、誰も答えることはできない。「ロードマップ」に沿って、実施することの「中身」に関しては、「同じまま」と呼ぶことは出来るが、暫定憲法改正と憲法草案修正によって、その「期間」は先に伸びることになった。従って、総選挙の実施は、以前の日程通りには出来ないのである。
「ロードマップ」は、首相が確認したように「同じまま」であり、その手順で「総選挙」は、実施されるが、それまでの期間が延期になるのである。これら全ては、「ロードマップは同じまま」の意図するところの「非継続性」を反映しているのである。総選挙の実施に向けてロードマップから逸脱するミスをしたとの感情を招きたくなかったのである。