デイリーニュースは、「政治の柵の中で軍人政党設立の花を摘む」と題した評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。

 今週のホットイシューは、「軍人政党」ないし軍のシンボルカラーから「緑政党」の設立に関する動きである。赤シャツ側の派閥に属する国家改革推進会議議員のソムポン・サラカヴィーは、プラユット首相兼NCPO議長の友人である或る軍人が、これまでの歴史のように崩壊してしまわない政党をどのように設立すれば良いかと助言を求めてきたと明らかにした。ソムポン議員がどのような意図を持って、そのような話を述べたのかは分からないが、政治的な潮流を作り出そうとしたか、国民投票を通過させた軍靴達に対して、その意志を探るために石を投げつけたのであろうが、この真相はソムポン自身しか知ることができないことである。

 タイ貢献党の動きもホットイシューである。タイ貢献党は、プラユット首相が政党を設立し、総選挙に出馬することが「威厳のある形」であると主張し、プラユット首相自身が以前に主張していたように、2年間の政権運営を国民が評価しているかどうか知ることができるので、そのようにするようにと、プラユット首相に出馬を促す一員に加わった。シナワット家の義理の弟であるソムチャイ・ウォンサワット元首相も以下のように述べている。「軍人政党であろうと、どのような政党であろうと歓迎する。そして正しいことである。自身を証明するために政党を設立すべきである。我々は民主主義の制度下におり、主権は国民に属するものであるので、国民に決断し選択させるべきである。重要なことは、(首相に続投するために)政党を設立する方が、その他の方法(で続投)するよりは、良いことである。国民が(続投するべきかどうか)決断できるからである。」

 憲法草案に「否決」の立場を取った民主党の守旧派は、プラユット首相に対して、自らの政党を設立するのか、それとも他の政党に自らの首相就任を支持させるのか、立場を明確にするように促している。民主党内の「自由人」である二ピット・インタラソムバット副党首は、「軍人政党を設立することは、ただのジョークではないだろうか。『軍靴達』は、反対派グループからアドバイスを求めるようなことはしないだろう。ただプラユット首相が政党を設立するのであれば、その動きを支持する。プラユット首相のこの方向性は、非常に良いものである。政党を設立することは出来る。長期政権になるか短期政権で終わるかは、国民からの信用、信頼を得られるか、信頼される人材を党内に有しているかどうか、明確で実行可能な政策が提案できるかどうか次第である」と述べた。

 プラユット首相は、政治家からの指摘を「鳥の声」か「カラスの鳴き声」の程度のように見ており、「友人」と「自分」は別の話と受け流しているが、(政党設立の臆測に対して)明確な容認も否定もしていないままである。「現在、まだ何も考えていない。考えているのは、残りの期間の国家運営をどうするか、それだけでも十分、大変なものである。先のことは先のこと。まだ憲法も施行されておらず、憲法付属法案もまだ出来ていないというのに、自分が何をしゃべるというのか」と答えただけであった。この先長くない内に、プラユット首相の口から語られることになるだろう。