マティチョンは、ソムマイ・パリチャット・マティチョン社副社長による民主党と国民投票に関する評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。

 オンアート民主党副党首は、SNS上で出回っているアピシット民主党党首を含む幹部達が憲法草案の否決を呼びかける発言を引用した写真付きメッセージについて、民主党が作成したものではなく、誰が作成したのかも不明である説明した。

 誤解から自分を守るために説明する権利はある。このメッセージに使われた民主党幹部達の発言は、メディアへのインタビューに答えた一部のみが切り取られたものであった。興味深いことは、これを誰が、何を望んで作成したのかである。

 民主党幹部達は、誤解を解くために、このメッセージの作成を否定したに過ぎず、党としての憲法草案への立場を名言することは、依然としてしないままであった。なぜだろうか。民主党は、NCPOが政党の会議開催を禁止しているので、党の方針を決議できないことを理由としてあげている。だが一方で民主党幹部達は、個人的な立場として、憲法草案に賛成か反対か、その理由に関しての意見表明はしているのであるから、自由投票とはいえど、党員に対して、その意見を反映させ、どのような行動をとるべきか合図を送ることはできる。しかし、民主党は、NCPOに対して憲法草案が可決しなかった場合には過去の憲法を施行するのか、新たに起草し直すのか明確にせよと主張するだけで、それ以外には何も語らず、この点に関して明確な立場を示そうとはしない。

 民主党が立場を明確にしないことで、「気怠さ」を生み出している。これはNCPO及び政府が(憲法草案が否決された場合にどうするのか)明確に立場を示すように要求されているのにもかかわらず、「2007年憲法を改正して手続きを進める」(と漠然とした)回答した以外には、現在まで未だに何ら回答がないままになっているのと大差ないことである。双方が、気怠さを作り出している。これが投票者の決断に影響を与えることになるが、それが彼らにとって、何らかの利益になるのであろうか。

 民主党は、党としての利益と公共の利益の間で決断しなければならない。民主党は立場を明確にすることに不安を感じていると思われる。もし、可決する方針を決めれば、民主制を後退させることに同意したとして、政治的に信用を失う。他方で、もし否決する方針を決めれば、国民投票に影響を与えることになってしまい、権力者を不満にさせることになる。そうなれば、将来、政権の座に就くことを支援してくれるチャンスを失うことになる。

 NCPOと政府は、過去のどの憲法を施行するのか明言してしまえば、その憲法が今回の憲法草案よりも革新的内容であれば、否決の投票数を増やすことになってしまう。他方で、(次の憲法草案が現在の草案よりも)後退するような場合には、現在の憲法草案を賛成するように強制するようなものである。ただ、これは政府のイメージを傷つけ、NCPOへの批判の声を強めることにもなる。よって、NCPOと政府は、方針を明確にすることよりもカードを切らずに曖昧にさせて置く方が利益が大きいとみている。

 以前には、ボーヴォンサック版憲法草案が否決された。同草案の「国家和解改革戦略委員会」の規定が国家改革委員会が否決を決断した理由の一つであった。今回の憲法草案による追加質問では、NCPOが選出した上院が選挙で選出された下院と一緒になって首相を選出することができる。その上、憲法付属法では、国家改革のメカニズムを規定することになる。内容は、この前の憲法草案とほとんど変わらないどころか、人によっては、より酷い規定になったと見ている。この前の憲法草案は、国民が直接選択したわけではないが、今回の憲法草案は、国民が直接選択するわけである。有権者はどのように投票するだろうか。