マティチョンは、赤シャツによる不正監視センター設置の動きに関する評論記事を掲載しているところ、概要以下の通り。

 8月7日の国民投票が近づくほど、「国民投票」という言葉の意味と役割は、複雑になり、逆説的になっている。これまでに国民投票の「中止」という言葉も現れた。ティラチャイ陸軍司令官兼NCPO事務局長からもタウィープ陸軍大将・国家安全保障会議事務局長からもである。「混乱」や「騒乱」という意味も付け加えられた。国民投票を中止にしようとする運動への反発が「思想矯正」のような厳しい対策を必要とすることの理解をもたらしてきた。

 チャトゥポンUDD代表(赤シャツ)とナタウット幹部は、「3つのない(マイ)」というスローガンを掲げた。それは、「中止させない、不正がない、ミャンマーに恥じない」である。「ミャンマーに恥じない」は、2015年11月のミャンマー総選挙のように、国民が地滑り的に投票権を行使することを意味する。

 国民投票に意味が追加されるほど、より事態は複雑になり、逆説的になっていく。特に著しい点は、UDDがスローガンのように国民投票を中止にさせようとする動きに反対をすることである。この動きに反対するUDDの運動が、国民投票を中止させることに向かわせることになる。

 重要なことは、UDD側の自信である。UDDは、憲法草案は国民投票で可決されないという自信を持っている。UDDの自信の根拠は、タイ貢献党の地盤である。2011年7月の総選挙の際には1500万人の国民からの票を集めた実績がある。だからUDDは、「中止させない」というスローガンを掲げたのである。そして第2のスローガン「不正させない」のために国民投票不正監視センターを設置する。

 それでは、第3のスローガン「ミャンマーに恥じない」は、どんな政治的な戦略を反映させたものであろうか。その考えられる答えの一つは、2014年5月のクーデター以降、UDDとタイ貢献党が続けてきた戦術である。つまり、「我慢して待つ」である。UDDは、2009年や2010年のような騒ぎを起こしていない。もう一つの答えとして考えられるのは、UDDが2015年のミャンマー総選挙を研究し、それから教訓を得たということである。アウン・サン・スー・チーが軍事政権に勝利した選挙である。どのような憲法下、選挙法下での選挙であろうと、いずれにせよタイ貢献党が確実に勝利するという自信である。だからUDDは、集会も運動もしない。

 全ての運動は、法律を反映したものであり、合法なものである。「不正監視センター」も軍政による「不正追放憲法草案」に対応させたものである。不正監視センター設置のための運動も国民投票法案に沿ったものである。不正監視センターは、当然ながらUDDの運動であるが、暫定憲法、国民投票法に対応させてあるので、選挙管理委員会のサポートをしているかのように振る舞っている。