タイでは2011年のインラック政権時に公務員賃金体系の大幅な引き上げ改定が行われましたが、今回軍事政権下でも、公務員ならびに公営企業労働者賃金の大幅な引き上げが行われました。今回の公務員賃金体系の改正は、この10年間で6回目になります。


現在のタイの公務員の雇用は、以下のような特徴があります。
1.公務員給与の上昇。10年前は大卒者の公務員初任給は、民間の3分の2程度であったのが、現在では大卒初任給は1万5000バーツなので、民間よりも10%高くなった。
2.公的部門の就業者は10年間で50%も増加した。ただし、公務員の人数は横這いのままであり、増加したのは公的部門の「従業員」(ลูกจ้างรัฐ やะพนักงานรัฐと呼ばれるもので、待遇は公務員ほど恵まれていない)であり、その数は6倍に増加。
3.高級公務員数の増加。現在幹部級のC9の人数は、10年前の2倍にまで増加している。行政改革により省庁数・局数が増加したことで、幹部級の人数が増加している。他方で公務員人数全体は増加していないので、末端の運営で人手不足になっている。
4.政府部門の人件費は10年前の3倍に増加。彼らの社会保障や年金などの経費なども含めると1.1兆バーツとなり、政府歳入のほぼ半分に相当する。
5.地方自治体の就業者は6倍に増加。公営部門の地方の従業員も3倍に増加。地方自治体数の増加を反映。
6.公的部門就業者予算がGDPに占める割合がアジア地域内では、バーレーン、モルジブに次いで高く、7%を占める。近隣国ではマレーシア6%、フィリピン5%、シンガポール3%。

http://thaipublica.org/2015/01/thailandfuturefoundation-2558-2/