マティチョンは、「タイ貢献党の方向性、勝利すれど野党、2019年の政治」と題した評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。

 総選挙の実施が2019年2月であろうと5月であろうと、総選挙の結果、タイ貢献党が第1党になるものの政権与党にはなれないと強く信じられている。選挙区、比例代表で1位を獲得しようと、下院の250議席を越えようとも政権与党にはなれず、野党にとどまると信じられている。タイ貢献党と民主党が手をつないで同盟を組んで、連立政権を樹立する場合のみ、政権与党になることが出来るが、それは困難というだけでなく、「極めて困難というレベルであることを誰もが承知している。そのような政治状況により、民主党は「ふわふわと浮いている」(タイ語:ロイトゥア)。なぜなら、自身の政党が選択する側であることを理解しているからである。(タイ貢献党かNCPOの)どちらかを選択すれば、選ばれた方が容易に政権につけるのである。

 民主党は2枚の大きな旗を掲げている。1枚は、「外部首相反対」であり、もう1枚は、「タクシン体制反対」である。しかし、民主党のこれらの旗を検討すれば、明らかに旗の大きさが異なるし、色合いも異なるのが分かる。それは「タクシン体制反対」の旗の方が「外部首相反対」の旗より大きいのである。民主党は、いくつかの論点ではタイ貢献党同様に、外部首相、つまりNCPO(の権力継承)に反対の立場であるが、それ以外の数多くの論点では、タイ貢献党と異なる立場をとっている。それが民主党から見られる傾向である。

 タイ貢献党と民主党の相違点は、これまでのロードマップの途中とは異なって、総選挙のゴールに進むにつれて、より明確に示されるようになってきている。民主党の立場、特にアピシット党首の立場は、ステープPDRC事務局長の誕生日に出席した振る舞いから評価することができる。つまり、その含意はステープ氏こそが(民主党を)「つなぐ橋」なのである。即ちタイ国民結集党とステープ氏は、民主党にとっての重要な変数なのであり、それにより今後「反NCPO」の旗は徐々に縮んでいくことになる。もし民主党がステープ氏と同じ方向に進むことを決断すれば、それはNCPOにとってのチャンスを意味し、タイ貢献党をより確実に野党側に押し出すことになる。

 総選挙が2月であろうと5月であろうと、現在から総選挙までの政治状況は、これまで評価されてきた程に複雑なものにはならない。一方のNCPOは、急いで「吸引」を進めなければならない。他方でタイ貢献党は、これまでのNCPOの失政を広げて見せようとし、今後さらに短くとも4年間のNCPOの権力継承への恐怖を示さねばならない。(今後は)NCPO対タイ貢献党の闘いである。