マティチョンは、「総選挙に向けて人員配置して隊列を整える:NCPOの最終年」と題した評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。
ソンクランに大量の水を掛け合っても、今年のソンクラン休暇前後は、総選挙に向けて準備中の人員配置の熱気を下げることはできなかった。(NCPOにとっての)最後の年に差し掛かるのであり、残りの僅か1分であろうと貴重な価値がある。
ソンクラン休暇に入る直前にアサウィン・バンコク都知事は、「大物」(プーヤイ)に命じられた通りに、バンコク都幹部の人事異動を発表した。警察士官学校第31期の同級生であるチンタット警察少将・副都知事を顧問に異動させ、その後任として、サコンティー・パティヤクン元民主党下院議員兼元PDRC幹部を副都知事に任命した。そして同じ週に内閣は、ポラメティー国家社会経済開発庁(NESDB)長官を社会開発人間の安全保障省次官に異動させた。併せてソムチャイ財務次官をNESDB長官の後任に任命したが、外国滞在中であった同財務次官は(異動に不満を示し)同日中に辞任を表明した。この辞意表明の報道を受けて、プラユット首相は、険しい声で、「誰であろうと辞任するなら辞任すればいい」と強調した。
ソンクラン休暇後最初の業務日に開催された閣議では、プラソン歳入局長をソムチャイ次官の後任の財務次官に昇格させただけでなく、エーカニティ公営企業政策委員会事務局長を歳入局長し、プラパート公債管理局長を公営企業政策委員会事務局長、プーミサック財務監理官を公債管理局長をそれぞれ任命した。それ以上のサプライズの人事は、トサポン公務セクター開発委員会事務局(OPDC)長を(ソムチャイ次官の辞任によって)空席となったNESDB長官に抜擢したことである。それに伴いパコン法制委員会事務局次長を後任のOPDC事務局長に任命した。このNESDB長官人事に関しては、この人物が担当した規則改正がビジネスセクターに利益を与え、「世界ビジネス利便性ランキング」でタイの地位を上昇させたため、その成果に政府内の「大物」が満足していたからと噂されている。また法律分野での大きな役割を果たしている「もう一人の大物」が業務を成功させるために後任の人物を求めたからでもある。一生涯法律の専門家で、経済学者でないままOPDC事務局長を務めた人物であろうと、政府が適切な人事だと判断すれば、NESDB長官に就任することができるのである。
それ以外にも同日の閣議では、ソンタヤー・クンプルーム元観光スポーツ大臣・パランチョン党党首を首相顧問に任命し、その彼の弟のイティポン・クンプルーム元議員も観光スポーツ省政務官に任命した。関係者は口を揃えて、これらの人事は政治とは無関係であると説明しているものの、それを聞いた人々は、微笑みながら頷く。総選挙に突入する前の最後の年には、公務員であろうと政治職であろうと、どのような大小の「持ち駒」を動かすことも、全てが政治の采配次第なのである。各地を支配している元下院議員を糾合して、新党に迎え入れることも必要なことである。設定していた目標に到達し成果を示すことは更に必要なことである。従って、これまでの「人員配置・隊列整理」は、「前菜の皿」に過ぎず、今後間もなく「メインディッシュの皿」が続いて出てくることになる