マティチョンは、「プレムお父さんからの年賀挨拶:NCPOの支持者はほぼ居なくなった」と題した評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。
シーサオテウェート公邸でのプレム枢密院議長への年末の挨拶の終えて間もなくに第1歩兵近衛師団内に所在する「5県森林保護財団」(注:プラウィット副首相兼国防相の住居)でも年末の挨拶を受けつけた(失礼をしている)が、プレム「お父さん」(パー)からは、「トゥー(注:プラユット首相のあだ名)よ、もう支援者を使い果たして、残りの支援者がほとんど尽きようとしているぞ」との大きな不安の言葉が伝えられた。この言葉は、プラユット首相の心の中だけでなく、プラウィット副首相兼国防相、アヌポン内相の心にまで響いたであろう。少なくともNCPO内の「3P(ポー)」(注:タイ語のアルファベット表記で上記の3名を指す)は、これを重く受け止めている。なぜなら、(彼らNCPOの言葉を借りれば)「これまで3年間で実行してきた様々なことが、人々にとって理解できないか、理解を一致させることが難しいことであるから」である。それでは、これまでの3年間は成功したものであったのだろうかという疑問が沸いてくる。
プレム枢密院議長からの上記の言葉は、「3Pは、毎日、大変な苦労をしている(ドーン・ナック)」との言葉と連続している。2014年5月に(彼らが)「国民に幸福を取り戻す」という目標を掲げてクーデターの実行を決断したときには、3年も経過すれば、健やかな状況に改善しており、人々は「腹一杯で気持ちよく眠れる」(キンイム・ノーンスック)となっているはずであった。しかし、どのような要因によって、「3Pは、毎日大変な苦労」に追い込まれてしまっているのであろうか。もし、各種世論調査の結果通りにNCPOへの支持、特にプラユット首相への支持が90%を越えているのであれば、それは誰よりも、どのような勢力よりも支持されていることを意味する。それならば、どのような理由によって未だに政党活動の解禁に応じられないというのであろうか。
プレム枢密院議長からの言葉には、明確な不安が示されていたが、それはプレム枢密院議長が最初からNCPOの応援者であったからだけではなく、今でも支援者であるからである。2017年12月22日に発表されたNCPO議長命令2017年第53号(注:政党法の改正)は、プレム枢密院議長のような支援者にまでそのような不安な感情を抱かせたのであった。なぜなら同命令に対し、支援者グループ内からも強い反発の声が上がっているからである。少なくとも民主党の態度は、プレム枢密院議長とほぼ同じである。要するにクーデターに賛成であり、ステープ・トゥアクスバン率いる「バンコク・シャットダウン」と連携し、クーデターの正当化のための運動を支援してきた強固な支持者であるが、そんな民主党でさえ、現在は無視された状態に置かれているのである。まるでバイトゥーイ(パンダナスの葉)から葉がとれて使い道がなくなってしまった状態と同じようになっている。支援者の心の痛みは明白である。
旧年の2017年が過ぎ、2018年の新年を迎え状況は転換するであろうか。成功を願う応援歌が得られるであろうか。プレム枢密院議長の不安は、NCPOを取り巻く支持者の真実を反映したものであった。これがプレムお父さん流の「年賀挨拶」なのである。