ポストトゥデイ・オンライン版は、「NRSA、NCPOの歓心を買って、新しい座席を確保するため、最後の機会に急いで業績を出す」と題した評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。

 NCPOのロードマップの行程は、選挙の実施に向けたルール設定し、最終目的地である「改革」及び「国民和解」の実現に向けて前進させるため、様々なメカニズムを支える基礎を決める重要なターニングポイントにまで前進してきた。国家改革推進会議(NRSA)が、任期満了前の最終コーナーに差し掛かったこの時期に急いで「改革計画」を提案したり、関連法案を起案してプラユット首相に提出したり、業績を生み出そうとしていることは、不思議なことではない。

 興味深いことにNRSAの各委員会による提案は、直接的であれ、間接的であれ、NCPOの望んでいることに一致しており、望み通りに動いて、NCPOの歓心を買おうとしているかのように見える。最近では、カニット空軍大将を委員長とするNRSAのマスメディア分野国家改革推進委員会は、SNS上のメディアの規制のためにサイバーセキュリティー法案を提案してきた。現在、この法案が国民の権利を侵害するのではないかと大きな問題となっている。これは、NCPO政権が継続的に努力してきたことの延長であると見ることができる。政権は、これまでもインターネットの調査と管理のため、シングルゲートウェイを導入しようとして反発を買って延期せざるを得なくなったことがある。これまでにも同委員会は、「メディア職業人の自由権擁護、道徳倫理規範推進法」、通称「メディア管理法」を提案して論議を巻き起こしことがある。同法案は、大きな反発に直面し、同委員会は、メディアの自由権を侵害することになるメディア登録制度、罰則などの一部の内容を修正することを認めざるを得なかった。

 NRSAの政治分野国家改革委員会も大差ないことをしている。同委員会は、民主主義制度下の政治文化を理解させ、青少年を啓発するための政治学校の創設を提案し、政治職にある者の政治文化創造に関する法律を提案している。また、「恩赦」の直接的な提案をしていないものの、政治集会による被害者への救済を進めつつ、刑法第112条の不敬罪違反者と治安関係事件を除いた刑事事件の被告に対しては、デモを煽動して混乱を生じさせないことを取引材料として、執行猶予処分、不起訴処分、減刑処分にする機会を与えることを提案している。

 先日、ティンナパン・ナカタNRSA議長は、プラユット首相に対して、4月6日より新憲法に継続されている暫定憲法第44条の強権を発動し、国家改革に関する27議題36法の施行を提案する書簡を提出した。それらの法律とは、例えば、「民主主義制度下の政治文化促進法」、「司法手続改革法」、「健康管理法」、「土地銀行設置法」、「国家教育法」、「生涯教育関連法」、「サイバーセキュリティー法」などである。現在になって急いで進められている動きのジグゾーパズルが組み合わされて、全体が見えてくる。

 他方では、任期満了に近づいてきたNRSA議員達がNCPOに気に入られるように業績作りを急いでいるということを反映しているのである。彼らは、5年任期で首相選出の権限も持つ上院議員や国家戦略委員会や改革委員会の作業チームなど法律に規定された次のポストを割り当てられることを期待しているのである。

 国家改革会議(NRC)の任期満了前、つまりボーヴォンサック・ウワンノー起草委員長版憲法草案を承認するか否認するかの採決を取る前の時期と同じような状況である。その頃には、NRC議員達の一部は、得点稼ぎのために急いで動き出し、その多くの議員がその後NRSA議員に任命された。以前、NRSA政治改革委員会が内務省に選挙の実施の補助をさせることを提案したが、その際には、二ピット・イントラソムバット民主党副党首に「こいつらは猟官運動をしているのか」と馬鹿にされている。任命権は、NCPOが握っているのであるから、今後、NRSA議員達が競い合って、急いで業績作りに奔走することがみられるだろう。