マティチョンは、「カーテンの中の噂とソムキット副首相:内閣改造の謎」と題した評論記事を掲載しているところ、概要以下のとおり。

 内閣改造に関して、デジタル経済社会省の重要性を強調し、その枠をできる限り小さくしようと努力しているものの、何らかの理由によって「噂」が響き渡っている。これは、ウッタマ情報通信技術(ICT)大臣が再び大臣の職位に戻ってこられるのかどうか確実でないことを反映している。この疑念は、「ウッタマ氏を再び大臣として戻すのかどうかについては、その質問に今は答えるときではない」との発言が理由である。これは、現実を反映した発言であるが、これは、自動的にウッタマ氏の立場が不確実であることを示すことになった。

 もう一つの理由は、内閣運営の現実にある。特に経済チーム長としてのソムキット副首相の立場と信頼がなくなり、疑念を持たれるようになっていることを反映している。首相府からは、「省名を変更したからといって、大臣を変更しなければならないわけではない」との確認があり、重たい疑念を軽くさせることができた。一方で、大臣の変更の可能性を排除できなくなる複雑なことが起きた。それは、大臣の「代行者」の任命である。代行者は、(経済チーム長である)ソムキット副首相ではなく、プラチン副首相であった。ウッタマ氏は、ソムキット氏の副首相就任時に一緒に同じチームとして、2015年8月にICT大臣に就任した。プラチン副首相がソムキット副首相の代わりに農業協同組合省の監督をすることになったケースと比較すると、この問題がいかにセンシティブであり、ソムキット副首相の経済チーム長の立場がセンシティブな立場かというのが分かる。 

 絶対に無視することのできない問題は、経済チーム長としてのソムキット副首相の担当分野である。単に「形式の上」ではなく、「実際」にそれを運営できているかどうかである。(軍人の影響下にある)運輸省、エネルギー省の上を監督することができているのだろうか。ICT省(まで担当から外れ)、そして農業協同組合省も同様である。つまり、ソムキット副首相は、チュアン政権時のスパチャイ副首相の立場と同じであり、2015年8月以前のプリディヤトーン副首相の立場と何ら違いがないのである。「分割して統治せよ」の格言が戻ってきたのである。それは、プリディヤトーンが経済チーム長の時代からの政権運営方法が、ソムキットが経済チーム長となった今の時代にも継続されているからである。「天外有天」(有能な人よりもさらに有能な人がいる)である。

 ソムキット副首相の経済チーム長としての立場はセンシティブなものである。よって、特別注意深く入念に内閣改造の手続きをおこなわなければならず、派手に噂を生じさせることは極めてセンシティブなのである。これはプリディヤトーンが辿ったのと同じ道である。