トンナムのタイ政治経済研究室

タイ政治の解説、分析などを中心としたタイ研究の専門家によるブログです。

2013年12月

「人民会議」の中身が明らかに

やっとステープのデモ側の要求している「人民会議」とやらの中身が少し明らかになりました。

各職業グループの代表から選挙で選出された300人+政治家・政党と関係ない任命制議員100人の合計400人で構成されることになるそうです。政治改革が終わったら、人民会議のメンバー400人は5年間は政治職に就けないというものです。

でも、やっぱり謎だらけです。各職業グループの代表をどうやって選挙で選ぶのでしょうか?恐らく、職業グループ代表として想定されているのは、大学教員、医者、公務員、国営企業労働者、NGOなどエリート層ばかりでしょう。バイクタクシーや露天商、廃品回収人の代表などは議員になれるのでしょうか?またバンコクと地方のバランスはどうするつもりなのでしょう?
それに非常に胡散臭いのが、100人の任命制議員。いったい誰がどうやって選ぶんでしょうか?どうせ王党派の息のかかった人間しか任命されないというオチのはずです。
こんな国民の代表とは全く呼べないインチキの「人民会議」を作ることより総選挙を予定通り実施する方が白黒ハッキリする民主的な解決策です。イカサマばかりしようとすれば、最後には赤シャツも我慢の限界を超えて、本気でタイが真っ二つに分断される内戦にでも発展する可能性すらあります。非常に心配です。

http://www.thairath.co.th/content/pol/388958 

 
まずは何の職業が国民の代表なのかそこから不明。全て賢人が選んでくれるってことでしょう。もう本当に国民舐めてますよ。続きを読む

純赤シャツTV誕生

赤シャツ(UDD)が運営する新しいテレビ局ができました。これまでもAsia updateなど赤シャツ系テレビ局がありますが、今回のテレビ局は完全に赤シャツによる運営だそうです

http://www.ustream.tv/channel/uddtv 

インラック首相が国会解散を決断した背景

この記事面白い。
インラック首相が国会解散を決断した背景事情が解説されています。解散は党内にも事前に相談されてなかったそうです。首相は「ある大物」からの電話の後に急遽決断したものだそうです。「ある大物」って誰でしょうね?Pですかね?

http://www.posttoday.com/analysis/report/263924 

 
脅しのようですね。流血の事態とクーデターを避けるためってことのようです。最初からPとステープは裏で手を握っていて、コマの一つとして動いているのではないかと思います。タクシンは解散しない方針でインラックに指示を出していたそうです。

 
 こういう内部の話に強い人といえば、ワサナーが思い浮かびますが、今回ポストトゥデイの政治班ってことなので、やっぱりワサナーも一部情報提供してるんじゃないでしょうかね。3軍司令官も警察長官も今日のステープ面会を拒否ってるところをみると、大物も全面的にステープと同じ歩調ではないのかもしれませんね。

タイ・ラオス第4友好橋開通

タイの政情はまだまだ落ち着きそうにありませんが、一方で確実にアセアン経済共同体に向けての動きは進んでいます。

本日はメコン河に架かるタイ・ラオス第4友好橋(チェンコン~フェイサイ)の開通イベントが行われました。タイ側からは、シリントン王女、インラック首相などが出席。これでまた一つ中国~ラオス~タイをつなぐ輸送の大動脈が繋がったことになります。
時間があれば年末年始にでも見に行きたいと考えています。http://www.posttoday.com/local/north/264163

民主党議員総辞職、街頭デモへ

今日の民主党党会議で、同党所属の下院議員全てを辞任させることを決定しました。議会制民主主義を機能麻痺に陥らせ、憲法7条の規定に基づいて人民議会を設置するというステープのデモ隊の意向に沿ったものだと思われます。

http://www.posttoday.com/politic/263638 

 
はい、このままいくと2006年コースです。ステープは明日こそが最終決戦だそうです。今回の騒動、何回「最終」って言葉聞いたことだろうか・・・。もう、うんざり。

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